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病院・診療所・自治体訪問(2018年)

地域の医療や救急の状況、病院の取組等を把握するために県内の医療機関を訪問し、現状と今後の方針・地域における役割や地域枠卒業医師・研修医の受入体制等について意見交換をしています。

自治体への訪問では医療・介護などの現状について、お聞きしています。また、地域枠制度について、現状や今後の見通しを説明させていただくなどして、意見交換を行なっています。

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2018年10月29日(月)

社会医療法人清風会 奈義ファミリークリニック
(岡山県勝田郡奈義町豊沢292-1

奈義ファミリークリニックを訪問し、診療所の現状や市町村における役割などについて、松下明所長からお話しを伺うとともに意見交換を行いました。奈義ファミリークリニックは、平成7年に日本で初めて家庭医を養成するクリニックとして、社会医療法人清風会(日本原病院)が運営主体となり、奈義町が建物を建設、川崎医科大学総合診療部が医師を派遣する形で診療を開始しました。その後、平成18年からクリニック独自の家庭医(平成30年からは日本専門医機構認定総合診療研修プログラム)を育成する3年間のコースを作って運営となり現在に至っています(毎年4名程度参加)。家庭医の育成プログラムを修了された先生が診療所に残り診療や研修医の指導をしてくださるので、奈義町以外にも湯郷・津山にファミリークリニックを作り、指導医と研修医に診療をお願いし、若い先生方で地域医療を支えていただいています。

奈義町は、若い世代に安価な賃貸住宅を提供するすなどの移住政策を行っているので、3人以上の子供を持つ家庭も多く、合計特殊出生率が2.8人となり全国的に話題となりました。保育園や幼稚園のサポートも手厚く、奈義町民であれば病児保育も受けられます。小児の予防注射は全種類無料、インフルエンザの公費助成にも力を入れるなど、子育てしやすい環境が整っています。県北の第3次救急医療機関である津山中央病院が疲弊しないようにと、夜間の小児科外来の75%~85%を指導医と研修医の先生方で支えています。

また、24時間365日往診(奈義町の訪問診療は100件)を可能にするために、訪問診療は3人でチームを組んで行っています。特別養護老人ホームでの看取り率は、既に国の目標45%を遥かに超える90%超となっています。

患者さんを中心とした診療情報を家庭図に書き込む電子カルテを活用して、家族単位で管理することで、患者の背景から慢性疾患や心理的問題などのサポートもされています。

職員が産休や育休などを取得する際には、法人内の3つのクリニックと日本原病院の医師でカバーしあって、医療が滞らないように工夫されています。一つの医療機関では解決しづらい産休・育休などの問題も複数の医療機関が連携することで問題解決できることや、医療機関だけでは守りきれない地域医療を行政との協調でうまく稼働させていることなど、お手本となることがたくさんありました。このような体制がとれるのも、松下所長のエネルギッシュな働きかけと奈義町の柔軟な対応があってこそと思います。

地域の医療を充実させ、その医療に携われば優秀な家庭医が育つという一石二鳥の環境が整っているクリニックでした。

今後も優秀な家庭医・総合診療医を輩出され、たくさんの画期的なアイデアが生まれてくるだろうと思います。

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(ホームページ:smc-seifukai.or.jp

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2018年7月 30日(月)

赤磐医師会病院
(岡山県赤磐市下市187番地
赤磐医師会病院を訪問し、病院の現状や市町村における役割などについて、佐藤敦彦院長をはじめとする病院スタッフの皆様からお話しを伺うとともに意見交換を行いました。
赤磐医師会病院は、昭和57年に赤磐医師会によって開設され、当初から、かかりつけ医の先生方との共同診療(オープンシステム)を採用しています。

旧赤磐郡山陽町・赤坂町・熊山町・吉井町の4町と岡山市東区の瀬戸町が病院の診療圏です。へき地拠点病院ということで、医療過疎地域である是里診療所、佐伯北診療所、仁美診療所のほか、和気町から依頼されて、塩田診療所に医師を派遣して地域医療を支えています。その他の診療所からも依頼があり、要望に応える予定だということでした。医師不足の中で、医師を派遣するのは大変な努力が必要です。しかし、「患者さんが困らないように」「地域の医療が継続できるように」と頑張っていらっしゃいます。

かつて、赤磐市内の診療所の医師が急逝されて400人ほどの患者さんが取り残された時には、医師を派遣したり、交通手段のない患者さんを送迎したりして急場を凌いだそうです。その後、赤磐医師会病院の定款を変更し、2018年1月から継続的に診療所への医師派遣ができるようになりました。

院内保育園を新設し、2018年6月から運営を開始しました。保育の対象者は病院職員の子どもや孫です。月曜日と水曜日には24時間対応を、第1・3・5の日曜日は休日対応をしているので、日直や当直は保育可能なこの時間が当てられ、勤務がスムーズになりました。保育施設を作ったことで、看護師さんの応募が増えているそうです。

​(ホームページ:akaiwa-mah.jp

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2018年5月 21日(月)

津山市
津山市を訪問し、山田賢一副市長はじめこども保健部部長、健康増進課課長、環境福祉部部長、社会福祉事務所所長、社会福祉事務所次長、津山医師会長の皆様から津山市における医療の現状、介護支援の現状をお伺いするとともに意見交換をいたしました。

 

津山市は県北の美作地方および津山都市圏の中心都市であり、同時に人口面と経済面における県北最大の都市です。市全体では、苫田郡・久米郡・勝田郡の3郡にまたがります。津山は古代律令時代より美作国の中心地で、山地の多い美作において平野面積が大きな津山盆地に位置することから、古くよりもっとも開け、出雲街道の宿駅なども置かれていました。

 

今回の訪問では、次のようなテーマで意見交換をさせていただきました。

  1. 市内の医師の高齢化にどう対応するか

  2. 市内の病院、診療所及び介護福祉施設の将来

  3. 市内の医師、看護師及び介護従事者の不足状況と確保対策

  4. 市内の高齢者が安心して最期を迎えることができる状況にあるか

  5. 市内の国民年金(老齢基礎年金のみ)受給者に対する医療・介護サービスの提供

  6. 医療・介護に係る市の財政負担

 

津山市の医療の現状や将来の予測については津山医師会がしっかり把握されていました。市内には急性期の津山中央病院がありますが、市内の診療所は高齢化が進み閉院する診療所があり、診療科によっては医師が不足しています。

また、不足する看護師の確保対策として、津山市医師会が看護師奨学金制度を設けています。(津山東高校専攻科において、看護に関する専門知識を習得しようとする者に対して、月額3万円の奨学金を貸与。奨学金の返済は、専攻科修了後、津山医師会に属する医療機関に勤務し、雇用した医療機関が3年間で返済する。)津山東高校専攻科卒業生のうち奨学金を受けている者の3~5割は津山市内に残り、津山市内の医療機関に勤務しているそうです。

(ホームページ:tsuyama.lg.jp

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