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病院・診療所・自治体訪問(2019年)

地域の医療や救急の状況、病院の取組等を把握するために県内の医療機関を訪問し、現状と今後の方針・地域における役割や地域枠卒業医師・研修医の受入体制等について意見交換をしています。

自治体への訪問では医療・介護などの現状について、お聞きしています。また、地域枠制度について、現状や今後の見通しを説明させていただくなどして、意見交換を行なっています。

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2019年12月 9日(月)

総合病院 水島協同病院
(岡山県倉敷市水島南春日町1-1)
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2020年4月から地域枠卒業医師が初期臨床研修を行うことになりました。地域枠卒業医師に身に着けてもらいたい総合診療の能力、チーム医療を実践したり、リーダーシップが取れるような能力等が身に着くような指導をお願いしました。

初期臨床研修としては、プライマリケアの習得に主眼を置いているので、それを承知の上で研修に来る医師が多いそうです。2年目になる初期研修医、専門研修医等の若手医師がおり、屋根瓦式の指導ができる、また、救急総合診療科に指導医を配置しており、どんな症例にも対応できる診療力が身に着けられるように取り組んでいるということでした。「原因はわからないが調子が悪い」という救急患者が多いので、総合診療科が救急を診るようにしているそうです。なお、救急車は1日に4〜5台受け入れています。

また、地域医療については、在宅医療に熱心に取り組んでいる玉島協同病院で学ぶこともできるそうです。

(ホームページ:mizukyo.jp

2019年8月 26日(月)

美作市
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岡山県北東部で兵庫県と接する南北に長い町、美作市を訪問しました。萩原誠司市長、保健福祉部の皆様、大原病院と作東診療所の事務長にも参加していただき、美作市の現状について伺いました。

美作市には、田尻病院・美作市立大原病院という2つの病院がある。津山中央病院の支援があるが、医師は圧倒的に不足している。2つの病院は、ともに救急の受入を積極的に行っているが、特に田尻病院は、医師の高齢化もあり、地域枠卒業医師の配置されることを希望しているということでした。

各課の担当者から、(1)高齢化への対応状況、(2)病院・診療所及び介護施設の現状と将来、(3)医師・看護師及び介護従事者の不足状況と確保対策、(4)高齢者が安心して最期を迎えられるか、(5)国民年金(老齢基礎年金のみ)の受給者に対する医療・介護サービスの提供、(6)医療・介護にかかる市の財政負担について、説明をしていただきました。

医師不足だけでなく、看護師の不足も課題であるため、平成19年から、美作市内にある美作市スポーツ医療看護専門学校の学生40名程度に奨学金を出されています。看護師不足が解消されることを地元の皆さんも期待しているそうです。現在も12〜13名が奨学金を受けているということでした。そして、市立病院・診療所では非正規職員の処遇改善を図っているというお話もありました。

(ホームページ:mimasaka.lg.jp

2019年7月 1日(月)

医療法人三憲会 柵原病院
(岡山県久米郡岬町吉ヶ原992
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柳原病院は、高齢化の進む美咲町で唯一の病院で、近隣の病院(津山中央病院・さとう記念病院・美作中央病院・赤磐医師会病院)までは、車で20〜30分を要します。山の斜面がきつく、坂が多い地形にもかかわらず、路線バスが廃止になりました。介護タクシーも数に限りがあり、必要な時に予約が取れないような状況です。

人口6千人のうち45%が65歳以上で、若い人たちは町外で働いているため、80代、90代の高齢者が、日中はご夫婦、または、おひとりで過ごすしたり、老々介護であったりすることが非常に多いそうです。

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柳原病院は、地域で唯一の療養型の病院ですが、実際には急性期や亜急性期の患者も積極的に受け入れています。通院が困難な場合は、事務スタッフが送迎も行ないます。家族の支援が整わず、在宅での療養を望まない高齢者は、ショートステイを併用しながら、できるだけ支える努力をされています。​

また、高齢者と共に一次産業従事者も多いので、整形外科・眼科等のニーズも高く、1日でも医師を派遣していただければ助かるとおっしゃっていました。

​入院患者の4~5割は介護度が高いにも関わらず、スタッフはギリギリの人数しか確保できていません。前理事長の急逝で7年前に後を引き継いだ曽根希信院長は、患者が徐々に減少し、看護師等のスタッフ確保にも苦労しているが、形を変えても病院を存続し、地域を支えたいとおっしゃられていました。

スタッフ不足を案じながらも、そこまで手が回らない印象を受けました。厳しい現状でも、看護学生を受け入れるなどして、若い人たちに柳原病院という病院があることに気づいてもらえることが必要なのではないか、また、若い人を指導することで、組織がしっかりしてくるという面があることなどもお伝えしました。

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